Folklore05

Servus AKIの食卓のフォークロア

師匠と弟子の食談義

今までメールマガジンに書いていたコラムを発表、そしてそれに関連した資料を掲載
でもちょっと眉唾    なんだ嘘かよ〜、そー言われても・・・・・
ま〜、それなりに読んで下さい。少しは話の話題なるかも????

そうそう、Servus(セアヴス)とは、ウイーンの方言で[今日は]と言う意味です [フォークロア]とは、民間伝承、民俗学、と訳されています。つまり食に関するあらゆる、フォークロアな事柄をお届け致します。なんちゃって・・・・

WIEN010-1.jpgウエストバーンホーフの夜明け

クリスマス(1)


【弟子】 早いですね、もう11月ですよ師匠。あと一ヶ月で今年は終わり
     ですね。
     師匠、もう今年は終わりなんですから、なんか〆になるような
     お話を聞かせてくださいよ。
     じゃ、どうでしょうか。クリスマスなんてのは?
     ネッ!! 面白そうですね。

【師匠】 おぬしも、最近わしに指図するようになったのー。
     偉くなったものじゃ。

【弟子】 そんなー、師匠。やだな〜、いつ私が指図しましたー。
     勘弁してくださいよ。すぐすねるんだから。

【弟子】 ね、師匠。ク・リ・ス・マ・スですよ。

【師匠】 それじゃ話してやるか。
     クリスマスと言うのはキリストの祝いとして古くからキリスト
     教徒の間で行われていた神聖な行事ぢゃ。
     今では、クリスマスは12月25日になっとるが、昔は違ってい
     た。

【弟子】 エッ!違うんですか?まさか夏じゃないですよね。

【師匠】 あたりまえぢゃ。おぬしは極端ぢゃの〜。

【弟子】 イエ、師匠に似たんです・・(ボソッ)

【師匠】 何かいったか・・・。
     キリストの生誕(降誕記念日)を祝う行事は、三世紀頃から行わ
     れていたのぢゃがキリストの誕生日が12月25日とははっきり
     とは分かっておらんのぢゃ。
     昔は、その他にも1月1日説、1月6日説、3月27日説とばら
     ばらだったんぢゃが西暦の354年(教皇ユリウス 1 世の時代
     )にローマ教会が12月25日に統一したのぢゃな。

【師匠】 そもそも、1月6日説は東方からの三賢人が聖母マリアに抱かれ
     たキリストに逢ったのでこの説が生まれたのぢゃが、今日では公
     に現れたと言うので、公現祭(Epiphany)などと呼ばれておる
     な。(1 月 2 日以後の最初の日曜日に公現祭を祝う教会が多い)

【弟子】 日本人ほど、無宗教(?)で騒いでる国は他にはありませんよね
     師匠。今ではクリスマスで儲けているレストランが多いですもの
     ね。でも、私は楽しみですよ。二人っきりでのディナーなんて最
     高ですよね。

【師匠】 何を言っておる。おぬしに彼女なんかおるのか?

【弟子】 も、もちろんですよ。必ず探しますから・・・・・。

【師匠】 まー。昔の日本はこのクリスマス商戦でにぎやかだった事は確か
     ぢゃな。クリスマスといえば、まずはクリスマス・ツリーぢゃ
     な。
     そこで、クリスマス・ツリーの事ぢゃが、これは初めから有った
     わけではないのぢゃ。
     ヴィクトリア女王の夫君、アルバート公(Albert)が最初と言っ
     ても過言ではないな。
     最初と言っても、世界中に広めたと言う事ぢゃよ。
     つまり、クリスマス・ツリーはドイツから始まったんぢゃが、
     (と、書くと誤解があるやもしれんが・・・・・)
     もともとは神への感謝祭というか、冬至の祭りに関係しておる。
     ドイツという国は冬になるとかなり厳しい生活を虐げられる。
     そこで、収穫した農作物などを神に感謝し、来年も豊作になるよ
     うに神に祈った祭りぢゃな。
     これには、神に自分たちの願いを聞いてくれるように沢山のお供
     えをしたのぢゃが、究極のお供えとして、人身御供があったのぢ
     ゃな。もともと、ドイツ人は樹木にも精霊が宿っていると言う考
     えがあり、祭りの時は木を神への捧げものにしたり、神木として
     拝んだりもしたそうぢゃな。
     八世紀のドイツにはドイツの神、オーデンに人間が犠牲としてカ
     シワの木にさげられるという風習があったのぢゃが、キリスト教
     をドイツに布教していた、伝道者ボニファティがこの非人道的な
     風習を無くそうとしたそうぢゃ。

【弟子】 そんな事をしていたんですか。私もその時代に生まれていたら人
     見御供になっていたかもしれませんね。

【師匠】 なんだったら、ワシがもみの木に吊るしてやろうか。

【弟子】 また〜。冗談がきついんだから。

【師匠】 それぢゃ、次回は少し詳しく述べよう。

【弟子】 エッ!もう終わっちゃうんですか、みんな怒りますよ。
     じゃ、すぐ始めてくださいね。

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★☆★Servus AKIの『食卓のフォークロア』★☆★
2002年11月21日 発行
【012】クリスマス(2)
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Servus(セアヴス)とは、ウイーンの方言で[今日は]と言う意味です
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【弟子】 それじゃ師匠、はじめましょう。もみの木からでしたね。

【師匠】 この、伝道者ボニファティはドイツ人の幼児キリストへの捧げも
のをモミの木につるしたことから始まったと言われる神木信仰を
うまく利用して神に捧げる人間の犠牲に代わりに作られたのぢゃ。
16世紀頃に、ドイツ人のマルチン・ルターと言う人がこのツリー
に物語を作ったのぢゃな。神のお祝いに庭のもみの木に沢山のロ
ウソクをつけて星のように飾り祝ったのぢゃ。これはキリストが
生まれたエルサレムを現し、一番上の大きなロウソクはキリスト
が生まれるときに東方の三賢人〈マギ〉が導かれたと言われてい
る星を現しているのぢゃな。

【弟子】 なるほどね、それでキリストの貢物としていろいろなものが飾っ
てあるんですね。ところで師匠、もみの木には雪がついています
がキリストが生まれたときに雪が降っていたのですか?

【師匠】 始めは厳かに行われていたのぢゃろうが時代と共にこのツリーも
形を変えていったのぢゃな。雪はキリストの生まれたエルサレム
の土地と言うよりは、ドイツの厳しい冬の情景ぢゃ。ルターが庭
のもみの木にロウソクを立てたと言ったぢゃろう、ドイツの冬は
沢山の雪が降る、ロウソクのついた庭のもみの木にも雪が降る、
それがいつのまにかツリーには雪というイメージがついたのぢゃ。
18世紀にはクリスマス・ツリーに子どもたちの為にオモチャを
飾る風習もはじまったのぢゃ。庭にもみの木がある家はいいのぢ
ゃが、町の人はそうもいかんので買ってくるようになり、庭のな
い家は家の中に飾る小さいもみの木になっていったのぢゃな。小
さくなっても信仰心には変わりはないということぢゃ。今ではロ
ウソクも電球に変わってきたのも時の流れぢゃな。

【弟子】 ツリーの事はよく分かりました。それじゃどうしてドイツのお祭
りと言うのですか、この神木信仰が世界中に広まったのですか?

【師匠】 これは初めの方に述べたが、ヴィクトリア女王が、いとこである
     ドイツ人のアルバート公に一目ぼれをした、女王は、即位3年目
     に最愛の夫としてアルバート公をイギリスに迎えそれはそれは仲
     のよい夫婦だったと言う事ぢゃ。女王のアルバート公に恋する姿、
     一生をささげるような仲睦まじい二人を見て、国民の多くは、この
ロイヤル=カップルに初めて理想の夫婦・家庭像を見出したのぢゃ。
どうぢゃ、うらやましいか。

【弟子】 はい、私もどこかに理想の妻がいるのだと思うとうっとりしてき
ます。

【師匠】 それは無理ぢゃ。

【師匠】 仲のよい二人には9人の子どもに恵まれ、家族そろってのバルモ
ラン城での休息が王室の年中行事となったそうぢゃ。このとき、
アルバート公はドイツでの風習であった、もみの木の飾り付けを
子供たちのために始めたのぢゃな。国民は、この王室の行事を非
常に気に入り自分たちに取り入れていったのぢゃ。ヴィクトリア
時代というのは七つの海を制したイギリスの時代だったので、こ
の風習もあっという間にキリスト教の風習として各国に根付いて
いったのぢゃ。

【弟子】 いや〜、師匠。いつもいつも勉強になりますね。
ついでに、サンタクロースも教えてください。

【師匠】 なんぢゃ、そんな事も知らんのか。
Santa ClausまたはSanta Klausとも書く。4 世紀頃に小アジア
のミュラの司教であったニコラウスに由来して,聖ニコラウス
を意味するオランダ語の Sint Klaes または Sinterklaas が英語
でなまってサンタ・クロース となったのぢゃ。
おわり、つぎ〜〜。

【弟子】 し、ししょう。そんな冷たいいい方しなくてもいいじゃないですか
もうちょっと、やさしくお願いしますよ。ネッ師匠。

【師匠】 ま〜。ニコラウスが子ども好きだったと言う事は間違いがない。
こんな話もある。慈悲深いニコラウスはあるとき貧しい 3 人の
娘に,嫁入時の持参金としてそれぞれに金貨入りの財布を夜中に
部屋に投げ入れてやったという。これが巡り巡って、クリスマス
のプレゼントになったのぢゃ。この話が元になり、司教ニコラウ
スに扮した者が下僕ルプレヒトKnecht Ruprechtを従えて現れる。
良い子には背負った袋からほうびのプレゼント,悪い子は訓戒のあ
と,改心の実ありと認められて,やはりなにかもらえる。というふ
うになり、沢山の子供たちに渡すプレゼントが増えてきてあの大き
な袋になったのぢゃな。ついでに言っておくが、ニコラウス司教は
赤い服など着ていなかったぞ。あれは、アメリカのコカコーラと言
う会社が広告に載せたイラストが世界中に広まったものぢゃ。

【弟子】 コカコーラの宣伝と言うのはなんか聞いた事がありますね。
じゃ、なんでXmasと書くんですか?

【師匠】 そもそも、クリスマスは英語でキリスト Christ のミサ mass の意
味ぢゃ。『Xmas』と書く場合の X は,ギリシア語のキリスト (
クリストス)ΧΡΙΣΤΟΣの第 1 字を用いた書き方ぢゃな。
フランスではノエルNoel,イタリアではナターレNatale,ドイツ
ではワイナハテンWeihnachtenという。どうぢゃこのくらいで。

【弟子】 イヤー、ほんとに物知りですね、師匠。
それじゃ、ついでにクリスマスケーキについてお聞きしたいんで
すがこれもやっぱり関係しているんですか。

【師匠】 なんぢゃ、ワシの話はついでかい。ぢゃ、もう辞めた。

【弟子】 またすねる。師匠わかりましたよ。ついでじゃありません。
是非聞かせてください。

【師匠】 それぢゃ、次回に。

【弟子】 また〜〜。

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